インドネシア料理を思い浮かべると、揚げ物の多さに気づく。
ナシゴレン
ミーゴレン
バクワン
テンペゴレン
アヤムゴレン
気づけば「ゴレン(揚げる)」だらけ だ。
なぜ インドネシア では、これほど揚げ物が日常化したのだろうか。
答えは「屋台文化に最適だった」から
揚げる=一番失敗しにくい調理法
屋台で重要なのは、
- 早く出せる
- 味が安定する
- 誰が作っても同じになりやすい
揚げ物は、
- 火加減が多少雑でも成立
- 調味が多少ズレても誤魔化せる
- 外はカリッと、中はそれなり
屋台向きの条件をすべて満たしていた。
切って、揚げるだけで成立する
煮込みや蒸し料理は、
- 時間がかかる
- 味の管理が難しい
- 仕込み量を読みづらい
揚げ物なら、
- 注文が入ってから揚げる
- 余っても翌日使える
- 食材ロスが少ない
零細屋台にとって最強の調理法だった。
暑い国ほど「揚げ物」が合理的
熱を一気に通して食中毒を防ぐ
高温多湿な環境では、
- 生焼けは危険
- 長時間放置はリスク
油で揚げれば、
- 表面温度は一気に高温
- 雑菌の心配が減る
- 見た目で「火が通った」と分かる
揚げ物は、衛生的にも安心できる調理法だった。
冷めても食べられる
インドネシアでは、
- 持ち帰り
- 時間差で食べる
- 家族で分ける
ことが多い。
揚げ物は冷めても、
- 味が崩れにくい
- 水っぽくなりにくい
- 食感が保たれる
暑い国の生活リズムに合っていた。
油は「味を均一化する装置」
素材差を吸収できる
屋台では、
- 鶏の質が日によって違う
- 野菜の鮮度も安定しない
油で揚げれば、
- 油の味が前に出る
- 食材差が目立たない
- 「だいたい同じ味」になる
安定供給が難しい環境では、揚げること自体が品質管理だった。
甘さ・辛さとも相性がいい
インドネシア料理の特徴である、
- 甘さ(ケチャップマニス)
- 辛さ(サンバル)
どちらも、揚げ物と非常に相性がいい。
油があることで、
- 甘さはコクに変わり
- 辛さは角が取れる
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「ゴレン」は料理名ではなく“動詞”
インドネシアでは揚げる=基本操作
インドネシア語で「ゴレン(goreng)」は「揚げる」という意味。
つまり、
- ナシゴレン=揚げご飯
- ミーゴレン=揚げ麺
- アヤムゴレン=揚げ鶏
揚げること自体が、調理の基本動作になっている。
家庭料理でも揚げ物が多い理由
共働き・簡単・失敗しにくい
家庭でも、
- 時間をかけない
- 味付けで悩まない
- 子どもも食べられる
揚げ物は、家庭料理としても万能だった。
一皿完結文化とも相性がいい
インドネシア料理は、
- ご飯+おかず1〜2品
- 混ぜて食べる
- 皿数を増やさない
揚げ物は、
- 主役にもなる
- 副菜にもなる
- 量調整が簡単
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なぜインドネシアでは揚げ物が多いのか(まとめ)
インドネシアで揚げ物が多い理由は、
- 屋台文化に最適だった
- 暑い気候で衛生的だった
- 調理が早く安定する
- 食材差を吸収できる
- 甘さ・辛さと相性が良い
- 家庭料理としても楽
揚げ物は、「油っこい嗜好」ではない。
インドネシア社会に最適化された調理法だったのだ。
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