タイは「食に寛容な国」と言われることが多い。
確かに、宗教的な食のタブーは比較的少ない。
しかしそれは、何をしてもよいという意味ではない。
タイの食事には、仏教的価値観と社会的配慮に基づいた「やってはいけない振る舞い」が存在する。
本記事では、観光客や外国人が無意識にやりがちなNG行為を理由とともに解説する。
NG① 食事中に大きな音を立てる
なぜNGなのか
タイでは、食事は静かに行うものとされる。
咀嚼音・スープをすする音・食器を打ち付ける音は、周囲への配慮を欠く行為と受け取られる。
背景
- 仏教的な「抑制」の美意識
- 食事は場の調和を保つ時間という考え方
日本で許容される行為も、タイでは違和感を持たれることがある。
NG② 箸で口に運び続ける
なぜNGなのか
タイでは、口に運ぶのはスプーンが基本。
箸は補助具であり、箸でそのまま食べ続けると「食べ方を知らない人」と見られやすい。
正しい使い方
- スプーン:口に運ぶ
- 箸:具材をまとめる、押さえる
NG③ 料理を独り占めする
なぜNGなのか
タイの食事は「共有」が前提。
一皿を自分の前に引き寄せたり、特定の料理ばかり食べる行為は好まれない。
背景
- 家族・集団を重視する価値観
- 食事は個人のものではなく「場のもの」
NG④ 料理に文句を言う・比較する
なぜNGなのか
味の好みはあっても、公の場で料理を批判することは、作り手・同席者への配慮を欠く行為とされる。
特に、
- 「辛すぎる」
- 「日本の方が美味しい」
といった発言は避けたほうがよい。
NG⑤ 勝手に料理の順番を決める
なぜNGなのか
タイでは、料理は同時に並び、自由に行き来しながら食べる。
「まずこれから」「次はこれ」と順序を固定しようとすると、場の流れを乱すことになる。
NG⑥ いきなり大量に味を変える
なぜNGなのか
卓上調味料は自由に使えるが、最初から大量に加える行為は「料理を尊重していない」と感じられることがある。
暗黙のマナー
- まず一口食べる
- 必要に応じて少しずつ調整
NG⑦ 僧侶の前で不適切な食べ方をする
なぜNGなのか
僧侶は尊敬の対象であり、その前では節度ある振る舞いが求められる。
- 酒類を大っぴらに飲む
- 騒がしく食べる
といった行為は控えるのが無難。
NG⑧ 食事中にイライラした態度を見せる
なぜNGなのか
タイでは、感情を強く表に出すこと自体が好まれない。
特に食事の場は、穏やかであるべき時間と考えられている。
NG⑨ 料理を粗末に扱う
なぜNGなのか
食べ物は「恵み」であり、軽く扱うことは敬意を欠く行為とされる。
- 皿を乱雑に扱う
- 料理を突き回す
といった行為は避けたい。
NG⑩ 食べ残しを当然のように残す
なぜNGなのか
食べ残しは、「感謝が足りない」「もったいない」という印象を与えやすい。
※詳しくは「なぜタイでは食べ残しが嫌われるのか?その文化的理由」で深掘り。
まとめ|タイのNG行為は「禁止」より「配慮」
タイで食事中にやってはいけない行為の多くは、
- 厳格な禁止
ではなく - 周囲への配慮・調和の意識
から生まれている。
重要なのは、正解を守ることではなく、空気を読むこと。
この感覚を理解すれば、タイの食事文化は一気に身近になる。
