タイ料理を家で作ってみたが、
「レシピ通りなのに何か違う」
と感じたことはないだろうか。
材料も揃えた。
調味料も入れた。
それでも本場の味にならない。
なぜ タイ の料理は、家庭で再現しにくいのだろうか。
それは腕前の問題ではなく、料理が生まれた前提そのものが違うからである。
タイ料理は「家庭料理」より先に屋台料理だった
外で食べる前提の料理文化
多くのタイ料理は、家庭の台所ではなく、屋台や食堂で発展してきた。
- フォーのように鍋を長時間使う
- 香草を大量に扱う
- 火力が必要
こうした条件は、家庭より屋外の方が向いている。
家で作らなくても困らない社会
外食や屋台が日常インフラとして機能しているため、「家で完璧に作る必要」がなかった。
レシピが「固定」されていない
分量より感覚が優先される
タイ料理では、
- 砂糖 大さじ◯
- ナンプラー 小さじ◯
といった厳密な分量より、味を見ながら調整することが前提だ。
👉 関連記事
▶ なぜタイ料理は「味を足して完成」なのか?卓上調味料文化の意味
同じ料理でも毎回違う
屋台ごと、日ごと、作り手ごとに味が違う。
「正解の味」が一つではないため、家庭で再現しようとしても基準が定まらない。
香りの再現が一番難しい
ハーブは量と鮮度が命
タイ料理の核は、味よりも香りにある。
しかし家庭では、
- 香草の量が控えめ
- 鮮度が落ちやすい
結果、決定的な差が生まれる。
👉 関連記事
▶ なぜタイ料理はハーブを多用するのか?薬草文化と仏教思想
香りは加熱と同時に立ち上げる
屋台では、強火で一気に香りを立たせる。
家庭の火力では、同じ再現は難しい。
味のバランスが「組み合わせ前提」
一皿で完成しない
タイ料理は、一品で完璧を目指さない。
複数の料理を一緒に食べて完成する。
👉 関連記事
▶ なぜタイでは「一人前」という概念が弱いのか?
単体で作ると違和感が出る
一皿だけを家庭で再現すると、本来のバランスから外れやすい。
家庭で再現しやすくする考え方
完璧を目指さない
「本場と同じ」に近づけるより、タイ料理の考え方を借りる方が現実的だ。
味を固定しない
作りながら、
- 酸味を足す
- 甘味を足す
- 香りを足す
という調整を前提にする。
なぜ再現しにくいのか(まとめ)
タイ料理が家庭で再現しにくい理由は、
- 屋台文化を前提に発展した
- 家庭調理を必須としない社会
- 分量固定のレシピが存在しない
- 香りと火力への依存
- 一品完結を前提としない構造
といった要素が重なっている。
タイ料理は、再現する料理ではなく、その場で作り上げる料理なのだ。
