タイでは、朝昼晩の食事を外で済ませる人が少なくない。
屋台や食堂は特別な存在ではなく、生活インフラの一部として機能している。
日本では「外食=特別」という感覚があるが、タイではむしろ、外で食べる方が自然と感じられる場面が多い。
なぜタイでは家庭料理よりも、外食や屋台が日常になったのだろうか。
暑さが「家で料理する負担」を増やした
火を使う調理が過酷だった
タイの高温多湿な気候では、コンロの前に立って料理をすること自体が重労働になる。
特にエアコンのない時代、家庭での調理は体力的な負担が大きかった。
外で作ってもらう方が合理的だった
屋台なら、調理の熱や匂いから解放される。
そのため、「作るより買う」方が現実的な選択となった。
住宅構造が家庭料理向きではなかった
台所が小さい住居が多い
都市部を中心に、台所が簡素な住宅が多かった。
揚げ物や強い香りの料理を作るには、設備的に不向きだった。
強い匂いが残りやすい
タイ料理は香辛料や発酵調味料を多用する。
一度作ると、家中に匂いが残りやすい。
屋台を利用すれば、この問題を避けることができる。
外食が「安くて早い」環境が整っていた
屋台は家庭料理より安いこともある
タイでは、屋台料理が非常に安価で提供されている。
材料費や手間を考えると、家庭で作るより外食の方が安い場合も多い。
時間を節約できる
屋台なら、数分で食事が手に入る。
忙しい都市生活において、この即時性は大きな魅力だった。
食事は「外で人と交わる時間」
家の外に生活が広がっている
タイでは、生活空間が家の中だけで完結しない。
食事もまた、社会と接点を持つ行為として外に開かれている。
屋台は交流の場でもある
屋台は単なる食事場所ではなく、人と人が緩やかにつながる空間だ。
外食は、孤立を避ける生活習慣とも言える。
家庭料理が消えたわけではない
特別な日には家庭料理が作られる
家庭料理は、祝い事や家族行事の場で今も重要な役割を持つ。
日常と非日常の使い分け
日常は外食、特別な日は家庭料理。
この使い分けが、タイの食生活を支えている。
なぜ外食や屋台が日常なのか(まとめ)
タイ人が外食や屋台を好む理由は、
- 暑さによる調理負担
- 住宅構造の制約
- 屋台の安さと速さ
- 都市生活との相性
- 食事を社会的な行為と捉える価値観
といった要素が重なった結果である。
タイにおける外食は贅沢ではなく、生活を合理的に回すための選択なのである。
